文責:横幕鍼灸院 院長 横幕胤和
最終更新日 2024年3月11日
十二指腸潰瘍とは、周辺の組織との境界がはっきりした潰瘍で、自律神経の不調が原因となることもあり、粘膜をこえて深く進行します。十二指腸潰瘍は、20~40歳に多く発症し、ストレス社会も影響し増加傾向にあります。
症状としては、腹痛がもっとも多く、特に夜間や早朝などの空腹時におこり、食事をすると症状が和らぎます。また、潰瘍部分が出血し、吐血や下血がおこることがあります。通り道が狭くなる「狭窄(きょうさく)」や変形によって、食物が通過しにくくなり、嘔吐をおこすこともあります。
十二指腸潰瘍の原因は、胃潰瘍と同じように、粘膜による防御の働きと胃酸による攻撃とのバランスが崩れることで発症します。
ストレス・疲れ・頑張りすぎなどや、遺伝的要因も関係しています。このページでは、つらい十二指腸潰瘍を改善するために、十二指腸潰瘍の症状・原因について詳しく説明しております。
【目次】
胃は分泌した胃酸で内壁を傷つけないように、粘液や粘膜で保護するということは先に述べました。
胃潰瘍の原因は、その機能が弱くなることによるものです。胃や十二指腸が酸性の刺激にさらされ傷つき、やがて潰瘍となります。
胃酸の分泌が増える原因を考えると、食生活が関わってきます。
消化の悪い食べ物ばかり摂っていると、胃は消化を促すために胃酸の分泌量を増やします。
具体的には、脂肪の多いもの、たんぱく質性のもの、香辛料を多く使ったものなど。これらは、胃に負担をかけます。また、食べすぎも良くないです。
増えてしまった胃酸が、胃から十二指腸に入ってきた場合、潰瘍になりやすいという要素があります。原因として、十二指腸は胃ほどに抗酸性が強くないからです。胃に良くない食生活は、十二指腸にも悪影響を及ぼすのです。
また、十二指腸潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ菌と関係が深いということもあります。
十二指腸潰瘍を発症している人の約9割が、ピロリ菌に感染しているという事実があります。十二指腸潰瘍になったら、ピロリ菌の感染も疑う必要があるということです。
十二指腸潰瘍の症状により、出血がひどい場合など手術を行うこともあります。それ以外は、お薬や生活習慣や態度の見直し、指導となります。
ピロリ菌に感染している場合は、除菌を目的とする薬を服用します。服用期間は、ピロリ菌の除菌では7日間と短期ですが、十二指腸潰瘍の対応としては、6週間続けることになります。
十二指腸潰瘍の対応では、「もう治った気がする」と、勝手に終了するような自己判断は、かえって病気を長引かせる原因にもなります。
基本的な治療としては、十二指腸潰瘍を引き起こした悪い生活習慣の見直しを徹底するということです。とくに若い方は、胃腸に負担のかかる無茶な暴飲暴食に走りがちです。食べ過ぎをしないように、規則正しく一日3回の食事を心がけましょう。
当院では、十二指腸潰瘍を改善するために、以下の対応を行います。
1.自律神経(交感神経の過敏状態)を改善
当院の鍼灸施術では、自律神経のバランスの乱れを改善します。十二指腸潰瘍の方は、交感神経が過敏となり、この結果、十二指腸の動きが悪くなります。
自律神経のバランスを取り戻すことにより、十二指腸潰瘍の改善を行います。
2.肩・背中周辺の緊張の緩和
十二指腸潰瘍でお困りの方は、身体が緊張して、固くなっています。胃及び十二指腸の部分の不調は背中・肩周辺の筋肉をとても緊張させます。
身体全体が緊張しているために、とてもだるさを感じます。身体の緊張を緩めることにより、リラックスした状態にして、十二指腸潰瘍の症状を楽にさせます。
3.免疫力の向上
十二指腸潰瘍の症状自体がとても大きなストレスとなります。不眠・食欲不振などの症状が続き、この結果、免疫力が低下します。
この結果、十二指腸潰瘍の症状が強くなるという悪循環を繰り返しています。見逃しがちですが、免疫力を上げることは十二指腸潰瘍の改善にはとても重要です。
十二指腸潰瘍は、生活習慣からの原因を見つけることと、自律神経のバランスを戻すことは十二指腸潰瘍の改善にはとても大切です。どうぞお一人でご不安にならず、あきらめないでください。
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