十二指腸潰瘍とは、周辺の組織との境界がはっきりした潰瘍で、自律神経の不調が原因となることもあり、粘膜をこえて深く進行します。十二指腸潰瘍は、20~40歳に多く発症し、ストレス社会も影響し増加傾向にあります。
症状としては、腹痛がもっとも多く、特に夜間や早朝などの空腹時におこり、食事をすると症状が和らぎます。また、潰瘍部分が出血し、吐血や下血がおこることがあります。通り道が狭くなる「狭窄(きょうさく)」や変形によって、食物が通過しにくくなり、嘔吐をおこすこともあります。
十二指腸潰瘍の原因は、胃潰瘍と同じように、粘膜による防御の働きと胃酸による攻撃とのバランスが崩れることで発症します。ストレス・疲れ・頑張りすぎなどや、遺伝的要因も関係しています。
発症するととてもつらい十二指腸潰瘍ですが、しっかりと治療すれば良くなる病気です。
このページでは、つらい十二指腸潰瘍を治すために、十二指腸潰瘍の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
【目次】
十二指腸潰瘍は、20~40歳代の比較的若い世代に多くみられます。
十二指腸潰瘍は、上腹部の右辺りや背中にまで痛みを感じることがあります。空腹時や、夜寝ている時間帯に症状が起こります。
人によっては、胸やけや吐き気がしたり、不快感を伴うこともありますが、痛いと思うこともなく実は症状が悪化していた、というケースも少なくありません。痛みを感じるレベルには、個人差があるためです。
症状は段階的に、粘膜の表面が傷む「びらん」の状態が初期。ある程度、傷が深くなると「潰瘍」とされ、さらに悪化していけば内壁に穴が開くこともあります。そうなりますと、出血して痛みも激しくなります。胃の内容物が開いた穴から周囲に漏れ出た場合、「腹膜炎」を起こす可能性も出てきます。そのような場合は、あまりの激痛からショックを起こし、危険な状態に陥ることもあります。
胃は分泌した胃酸で内壁を傷つけないように、粘液や粘膜で保護するということは先に述べました。胃潰瘍の原因は、その機能が弱くなることによるものです。胃や十二指腸が酸性の刺激にさらされ傷つき、やがて潰瘍となります。
胃酸の分泌が増える原因を考えると、食生活が関わってきます。消化の悪い食べ物ばかり摂っていると、胃は消化を促すために胃酸の分泌量を増やします。具体的には、脂肪の多いもの、たんぱく質性のもの、香辛料を多く使ったものなど。これらは、胃に負担をかけます。また、食べすぎも良くないです。
増えてしまった胃酸が、胃から十二指腸に入ってきた場合、潰瘍になりやすいという要素があります。原因として、十二指腸は胃ほどに抗酸性が強くないからです。胃に良くない食生活は、十二指腸にも悪影響を及ぼすのです。
また、十二指腸潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ菌と関係が深いということもあります。十二指腸潰瘍を発症している人の約9割が、ピロリ菌に感染しているという事実があります。十二指腸潰瘍になったら、ピロリ菌の感染も疑う必要があるということです。
十二指腸潰瘍の症状により、出血がひどい場合など手術を行うこともあります。それ以外は、薬物治療や生活習慣や態度の見直し、指導となります。
ピロリ菌に感染している場合は、除菌を目的とする薬を服用します。服用期間は、ピロリ菌の除菌では7日間と短期ですが、十二指腸潰瘍の治療としては、6週間続けることになります。
十二指腸潰瘍の治療では、「もう治った気がする」と、勝手に治療を終了するような自己判断は、かえって病気を長引かせる原因にもなります。
基本的な治療としては、十二指腸潰瘍を引き起こした悪い生活習慣の見直しを徹底するということです。とくに若い方は、胃腸に負担のかかる無茶な暴飲暴食に走りがちです。食べ過ぎをしないように、規則正しく一日3回の食事を心がけましょう。
十二指腸潰瘍は、生活習慣からの原因を見つけることと、自律神経の調整をすることで、改善する病気です。どうぞお一人でご不安にならず、あきらめないでください。
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