舌痛症(ぜっつうしょう)とは、原因となる疾患がないにもかかわらず、舌に痛みやしびれを感じる慢性の病気です。
舌痛症という病気をご存じなければ、舌に違和感があることで何か重大な病気ではないかと、非常に不安を感じるのではないでしょうか。
舌が痛む病気はいろいろあります。舌が痛む原因となる疾患がないことが証明されると、舌痛症の診断が下されます。
そのため、舌痛症は深刻な病気ではないということになりますが、舌の痛みは長く続き不快感があります。
舌痛症は潰瘍や炎症などの異常が認められないので、周囲から理解されにくく、ご本人にとってはつらい状況であると思われます。痛みの強さは一定ではなく、生活に支障をきたすほど痛むときもあります。
舌痛症ははっきりした原因が解明されていませんが、ストレスの多い方や更年期の女性に発症しやすい傾向があるとされています。きちんと治療をして症状を改善したいものです。
舌痛症を治すためには、舌痛症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、舌痛症を治したい方のために、舌痛症の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
【目次】
舌痛症とは、舌に慢性的な痛みやしびれを感じる症状で、原因となる疾患がないものを言います。
国際頭痛分類第3版による舌痛症の診断基準の中に「連日かつ2時間以上にわたって反復する痛みが3カ月以上持続している」という項目があります。
舌痛症は重篤な病気ではありませんが、長期にわたる痛みで不快感があり、生活に支障をきたすこともあります。
舌痛症では舌に感じる違和感のみで、潰瘍や炎症などは見られません。見た目に異常がないため、周囲の方に理解してもらうことが難しく、つらい思いをされている方が多いようです。
舌に痛みやしびれを感じる病気はさまざまあります。舌痛症と診断するには、検査をしてそれらの病気ではないことを証明する必要があります。
舌に痛みやしびれがあっても、その原因となる疾患がある場合は舌痛症とは言わず、原因疾患の治療をすることで症状の改善をはかります。
舌痛症は原因がはっきりせず、多くの場合、心身症の一つと考えられています。舌の痛み自体で睡眠障害を引き起こすことはありませんが、舌痛症を発症する方はもともと不安を抱えていらっしゃる方が多く、そのために睡眠障害を訴えることもあります。
舌痛症は更年期の女性に多い病気とされています。閉経後の女性の有病率は15%前後と言われています。また、男性より女性の方が発症しやすく、女性の有病率は男性の8~10倍ということです。
舌痛症の約3%は自然治癒しますが、多くは長期間、痛みが続きますので、適切な治療法を見つけてできるだけ早く症状の改善をはかりたいものです。
舌痛症の主な症状は、舌の痛みやしびれです。舌痛症では潰瘍や炎症はなく、見た目には異常が認められません。ご本人が感じる自覚症状のみなので、周囲の方にはわかりにくいと言えます。
舌痛症の症状の感じ方としては、「ヒリヒリ」「ピリピリ」としたやけどのような痛み、「ジンジン」としびれるような感じ、「チクチク」「ズキズキ」と刺すような痛みなどと表現されます。
舌痛症の症状は舌の先や縁に現れることが多いのですが、痛む部位が移動することがあります。舌の痛みは長期にわたり、生活に支障をきたすほど症状がひどくなる場合もあります。
舌の痛み自体で睡眠障害を起こすことはありませんが、舌痛症を発症される方はストレスや不安を抱えていらっしゃる方が多く、睡眠障害を訴えることがあります。
舌痛症の痛みの感じ方は一定ではなく、強くなったり弱くなったりと波があります。夕方から夜にかけて痛みが強くなる傾向があります。不安感や不快感は痛みを増強させます。
食事中は痛みが弱くなる傾向があります。そのため、舌痛症の方はガムをかんでいることが多いようです。また、ものごとに集中しているときも痛みが弱くなります。
症状の現れる部位の変化や、症状が強くなるときや軽くなるときを自分で把握しておくことは適切な治療につながります。
舌痛症の原因は、はっきりとしたことはまだわかっていません。しかし、舌痛症を発症しやすい人の傾向があります。当てはまるものがあるでしょうか。
これらから舌痛症を引き起こす誘因がいくつか考えられます。
(1)こころの問題
舌痛症を発症する方は、几帳面な人や神経質な人、ストレスを感じやすい人が多く、精神面が影響していると考えられています。自分は病気かもしれないと不安を抱いている方も発症しやすく、舌痛症は心身症の一つとも言われています。
(2)ホルモンバランス・自律神経の乱れ
舌痛症は更年期の女性に多いことから、ホルモンバランス・自律神経の乱れが関連しているのではないかと考えられています。
(3)歯科治療の影響
歯科治療の後にしばしば舌痛症を発症します。入れ歯や歯列矯正がきっかけになることがあります。
(4)神経の病気
舌の感覚に関わる神経の異常から舌痛症が起こっている、神経痛に近い状態であるという説もありますが、まだ研究段階です。
舌痛症の治療を行うには、まず症状をきちんと伝えなければなりません。特に舌痛症は他者にはわかりにくい病気であるため、自覚症状や誘因として考えられることを詳しく伝え、適切な治療につなげましょう。
次に他の病気との鑑別が必要です。舌が痛む病気は多く、原因疾患があるのであれば、その原因疾患を治療することで症状が改善する可能性があります。
舌痛症は原因疾患がないものを指すので、検査により原因疾患が存在しないことを証明しなければなりません。舌痛症の治療は、主に薬物療法と認知行動療法があります。
痛みをうまくコントロールすることと、生活の質を上げることを治療の目標とします。
(1)薬物療法
舌痛症は心身症の一つという考えがあり、不安は痛みを増強するので、薬物療法で気持ちを落ち着かせたり不安を取り除いたりします。
(2)認知行動療法
(3)歯の再治療
歯科治療をしてサイズや形状が適合しないことで舌痛症を起こしている場合は、再治療をして原因を取り除けば症状が治まることがあります。
舌痛症は原因がはっきりせず、また症状が舌の痛みだけで見た目に異常がないため、理解してもらうことが難しい病気です。しかし、舌痛症は悪性の病気ではなく、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。
舌痛症の場合、自律神経のバランスを整えることが大切です。自律神経のバランスを整え、不安を感じやすいのか、更年期であるのか、何をしているときに症状が軽くなるのか、ご自身の傾向を確認し、適切な治療法や生活の工夫をすれば舌痛症は治る病気です。どうぞあきらめないでください。
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