文責:横幕鍼灸院 院長 横幕胤和
最終更新日 2024年2月9日
ジストニアは、脳内の大脳基底核という部分がうまく機能しなくなることで生じる運動分野のトラブルです。
ご本人の意思とは関係なしに顔面や身体が動いてしまい、またその動作が繰り返し起こります。意図しない動きに悩まされて、生活にも支障が出てきます。
ジストニアには原発性(遺伝性)、外傷や代謝の異常による続発性、薬剤性のものがあります。
また特定の職業の方が発症することもあり、とくに音楽家の方で多くの症例があります。
ジストニアを改善するためには、ジストニアの症状・原因・対処について知ることが大切です。
このページでは、ジストニアを改善したい方のために、ジストニアについて詳しく説明しております。
【目次】
ジストニアとは、筋肉の硬化や収縮による「ジストニア運動」という動きが続く症状をいいます。
動きは、ご自分の思い通りにならない「不随意運動」であり、不都合を強いられることになり、またそのことが精神的なストレスにもなります。
遺伝性のジストニアですと、ほとんどが若年齢層(未成年期)で発症することになります。
ジストニア自体、そう知られているわけでなく、わかりにくい疾患でもあります。
ジストニアの症状は、初期のころですと、手足やまぶたなどが軽く痙攣(けいれん)を起こす、頭部や首が回転する、姿勢の歪みなどが起こります。
発症する部位はさまざまですが、局所的な場合と、症状が進めば全体的に出ることもあります。
症状として特徴的なのは、くねらせた動きやねじれが生じることです。
また、まぶたや唇の開閉が自在にならない、舌が勝手に口から出てしまう、食事の際に箸が持ちにくい、ペンを持てず字を書くことができない、また声が出にくいなど、思い通りに動かなくなります。
音楽家の方で、ピアノやギターなど特定の楽器が演奏できなくなるという例もあります。いずれの症状も、ご本人の意思を反映しないものであり、もどかしさや苦痛からストレスをつのらせることになります。
症状には一定のパターンがあるか、特定の動作をする時だけあらわれる場合もあります。何度も繰り返して持続するのですが、感覚の刺激を受けると軽減されることもあります。
また起床してすぐの間は、比較的症状が軽いともいいます。症状が出た時の環境や何らかのきっかけで、症状が急激に増減する現象もあります。
ジストニアの原因は、明確なものとそうでないものがあります。
突発的なジストニアはCTやMRI検査で脳に異常が認められないことが多いです。
これに対して、別の疾患や後遺症が原因となり二次的に発症したジストニアでは、わかりにくいです。
遺伝子性のジストニアの場合、あらかじめその可能性を疑い遺伝子検査をすることで、診断をすることになります。
遺伝子の異常は原因のひとつではありますが、血縁関係の方であっても発症しないケースもあります。
また薬剤がジストニアの原因となることもあります。薬剤の加減によって機能が左右され、ジストニアの症状につながることもあります。
遺伝子の異常も含めた突発性ジストニアの原因は、いまのところ解明されていないのが実情です。
ジストニアの一般的な対処方法はお薬によるものが一般的です。
お薬で充分な効果が得られない場合は、外科的対応もあります。
これらにて効果があればよいのですが、なかなか改善が認められない場合も多くあります。
当院ではジストニアでお困りの方に対して、以下の方法で改善を目指しております。
1.自律神経のバランス改善
ジストニアでお困りの方の多くは、交感神経が過剰に働いているケースが多いです。
交感神経が強くなると、身体が常に緊張モードになり、ジストニアの症状を強くします。自律神経のバランスを整えることは、ジストニアの改善にはとても重要です。
2.免疫力の改善
長期間ジストニアの症状が続きますと、身体に大きな負担がかかります。お薬も多く飲むこともあり、免疫力の低下がみられます。
運動機能のみでなく、内臓機能が低下することが懸念されます。このため、免疫力改善の鍼灸を行っております。
3.ストレスの改善
ジストニアの方の多くは大きなストレスにお悩みの方が多いです。肉体的・精神的なストレスは身体にとって悪影響を及ぼします。
ストレスの原因を見つけて、対処することがジストニアの改善につながります。
ジストニアは肉体的にも、精神的にも大きな負担がかかる症状です。改善が見られずお困りの方も多くおられます。しかしながら、原因を見つけ、対応することがとても重要です。どうぞあきらめないでください。
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