睡眠障害とは、不眠と同じように考えられますが、その症状は個人により様々です。睡眠障害の症状は、肉体的のみならず、精神的にも大きな負担を与えます。このため、日常生活にも大きな影響がでます。
睡眠障害は、自律神経との関係が深い病気です。
このため、自律神経失調症の症状
などを引き起こします。
不眠障害では、睡眠薬・安定剤などのお薬が処方されます。しかし、副作用・依存性の心配があります。出来れば薬を使う事なく治す事が大切です。
睡眠障害は、しっかりと治療をすれば良くなる病気です。このページでは、睡眠障害を治すため、睡眠障害の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
【目次】
睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題のある状態をさします。眠れないといった不眠の状態だけでなく、睡眠中の行動や睡眠リズムの乱れ、そして日中に眠気を自覚する場合なども睡眠障害とされています。
代表的な睡眠障害は以下の通りです。
人はもともと加齢と共に睡眠の質が低下します。高齢者の方では夜中に何度も目が覚める、早朝に目覚めてしまうといった症状が出やすくなります。ただ、近年では若い世代にも睡眠の質の低下を認めるようになってきました。
平成25年国民健康・栄養調査概要によると、うまく寝付けない、睡眠全体の質に満足できないといった状態を自覚する人の割合が若い世代で多くなっています。また、30歳代の男性と20歳代の女性の約4割が「睡眠時間が足りていない」と自覚しています。
さらに平成26年の同調査では、睡眠によって休養がとれていないとする人の割合が20%であり、これまでの調査の推移と比べて増加傾向にあることがわかりました。
日本人の5人に1人が睡眠に何らかの障害を抱えているといえるこの状況には、
などが要因の一つとして考えられています。
睡眠障害の症状を代表的な疾患別に示します。日中の眠気がある疾患では、特に社会生活に支障をきたしてしまう場合が多くあります。ここでは、各睡眠障害の症状についてご説明いたします。
なかなか寝付けない(入眠困難)、眠りが浅く何度も目が覚める(中途覚醒)、早朝に目を覚ましてそこから眠れない(早朝覚醒)、眠れているが熟睡感に乏しい(熟眠困難)などの症状に加えて日中の眠気が現れます。睡眠が十分にとれていないことで、倦怠感、思考力や集中力の低下、抑うつといった症状も現れる場合があります。
睡眠中に思いがけない心身の行動が出ます。小児期に多いのは、深い睡眠にもかかわらず歩き回る(睡眠時遊行症)、奇声をあげる(夜驚症:やきょうしょう)といった症状です。そのほか寝言、下肢のこむら返り、ひきつけ、おねしょ、いびき、せん妄などの症状があります。
入眠と覚醒のリズムにずれが生じているため、夜間帯に不眠となり日中は過眠や眠気による集中力低下などの症状がでます。
夜間の睡眠はとれているにも関わらず、日中に強い眠気が現れます。過眠症の中でも耐えがたい眠気がくり返し出現するナルコレプシーでは、30分程度うとうとすると一時的にすっきりします。
特発性過眠症ではナルコレプシーほど眠気は強くないものの、1時間以上居眠りをしてもまだ眠り足りないと感じる場合が多くあります。
大きないびきをかく、熟睡感がなく日中に強い眠気を感じる、睡眠時の無呼吸が主な症状です。無呼吸による息苦しさで夜間何度も目が覚めることがあります。
また、くり返す無呼吸で血液中に取り込まれる酸素濃度が低下し、頭痛、全身倦怠感、人格の変化などの症状を認めることもあります。
足に虫が這うような不快な感覚が起こります。そのため寝付きにくさ、夜中に目が覚める、熟睡感が得られないといった症状が現れます。
睡眠障害の原因はさまざまで、疾患によっても睡眠障害の原因は異なります。
主に以下のような原因が考えられます。
などが考えられています。
不眠症では、これらの原因が複数絡み合って眠れない状況を作り出している場合が多くあります。これらの状況を改善する事により、不眠症が良くなる場合もあります。
原因ははっきり分かっていないとされています。ただ、レム睡眠中に起こる「レム睡眠行動障害」では、レビー小体型認知症やパーキンソン病といった脳の器質が変化する疾患の初期症状として出現する場合があります。そのほか、ストレスや自律神経の乱れが関係しているともいわれています。
時差や不規則勤務などの生活リズムの乱れが続くことにより、体内時計と昼夜のリズムにずれが生じることが原因でおこります。
日中に自覚する眠気の原因は、不眠症などの睡眠不足である場合が多いとされています。夜間の睡眠に問題がなく強い眠気の自覚があれば、過眠症や睡眠時無呼吸症候群などの疾患である可能性が高くなります。
喉や気道がふさがってしまうことが原因の場合と、のどや気道は開いているにも関わらず、脳から呼吸をする指令が出ないことが原因の場合があります。
はっきりした原因はわかっていません。中には鉄欠乏性貧血、遺伝的要因、抗精神病薬による副作用といった病気や薬が原因で起こるとされているものもあります。
睡眠障害の治療は、睡眠障害の原因となる疾患に応じた方法で行います。そのため、睡眠障害の原因をきちんと把握して治療に臨むことが大切です。
睡眠に影響を与える生活習慣の見直しや原因となる病気の治療から始め、必要に応じて睡眠薬の投与を行います。
ストレスの軽減につとめます。薬物療法では抗パーキンソン薬、抗てんかん薬、睡眠薬の投与が行われます。小児期や学童期に多くみられる夜驚症や睡眠時遊行症はある程度の年齢になると自然に消失する場合が多く、治療はせずに経過をみることがほとんどです。ただし、転倒など事故の危険性が高い場合は薬物治療を行う場合もあります。
朝に2500ルクス以上の光を浴びて脳に働きかけ、体内時計をリセットする高照度光療法を行います。薬物療法では、入眠前にメラトニンや睡眠薬を服用します。昼夜逆転している場合には、毎日少しずつ入眠時間を遅らせていき、昼夜のリズムに合ったところで入眠時間を固定する時間療法を行う場合があります。
症状が軽い場合には、昼夜の睡眠時間を固定することで日中の眠気を最小限にとどめる対症療法が行われます。また、中枢神経刺激薬の服用によって日中の眠気を減らす薬物療法がとられる場合があります。
悪夢への不安から夜間の不眠を過眠症の場合、抗うつ薬の服用によってレム睡眠を作らないようにするといった治療を行う場合があります。
軽度であれば体位の工夫や鼻腔を広げる鼻テープを張ることである程度改善が認められます。禁酒、禁煙、睡眠薬の服用の中止、肥満がある場合は減量を指示される場合があります。重度の場合は鼻から強制的に空気を送り込む経鼻的持続用圧呼吸療法(CPAP)が行われます。
専門医による治療が必要で、薬物療法が行われます。
睡眠障害には、多くの症状と原因があります。中でも見逃す事が出来ないのが、自律神経のバランスの乱れです。特に、自律神経の交感神経が過敏になりますと、身体緊張しやすくなります。
このため、睡眠障害の症状が出やすくなります。また、前述のように、自律神経失調症の症状を伴う事が多いです。これらは、検査でも見つかりにくいので、原因不明と言われる方が多くおられます。
睡眠障害は、大変つらい症状を伴います。どうしても薬に頼りがちになりますが、継続しての服薬は副作用が心配です。睡眠障害は、原因を見つけ、自律神経のバランスを整える事により良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。
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