口腔心身症は、心理的なストレスが引き金となり口腔の領域でさまざまな症状があらわれる状態です。
歯や舌などに痛みや障害が生じて歯科医院を受診しても、これといった原因が見当たらないことが多いのです。
痛みなどの苦痛を取り除こうとして、鎮痛剤を処方されても効かないケースがあります。
精神的な面が影響していると、その原因を明確にして解決させない限り、根本的な改善にはつながりにくいのです。
口腔心身症を治すためには、口腔心身症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、口腔心身症を治したい方のために、口腔心身症の症状・原因・治療について詳しく説明しています。
【目次】
口腔心身症とは、心因的な原因からくる口腔領域の症状を総称していいます。
口の中やあご、歯に関する症状が、精神的なストレスからきているとは、悩まれているご本人も自覚できていないケースが多くあります。
また、検査をしても具体的な病気が特定されず、「異常はない」ということになります。
症状が続くため、いくつか別の医療機関をまわり、ようやく口腔心身症であると診断される場合もあります。心因性の病気では、治療のスタートラインに立つまでに時間を要することも少なくありません。
口腔心身症は、単純な虫歯や歯周病などの病状とは発症する出発点が違います。メンタルな部分に起因しているので、解決の道のりも決して単調とはいえないでしょう。治療は長期化することもあります。
口腔心身症の症状で、代表的なものに舌痛症(ぜっつうしょう)や口臭症があります。
舌痛症は舌の痛みやひりひりした感覚、口臭症は口から不快な臭いがしているという思いから神経質になるというものです。
口腔心身症でお悩みの方は、あごや口のまわり、口の中や歯、顔に及ぶ部分で「何か問題があるはず」とさまざまな症状を訴えられます。
違和感があることは間違いないのですが、知覚過敏になっている、錯覚していることも考えられます。
具体的な症状として他にも、口の中がかわく、唾液の分泌が減る、または増える、親しらずの痛み、歯や歯茎の浮いた感じ、あごの関節が痛む、口の開閉がうまくできない(顎関節症)などがあります。
口腔心身症の原因は、先述した通り心因性のもので、ストレスや情緒的な要素が深く関与しています。
現実的には、口腔に関する症状が出ているのですが、原因の発端をさぐっていくと、社会的なストレスや心理的な因子が関与していることがあります。
また生来からの体質や性格、年齢や置かれた環境の変化など、複数の要素が重なることで、口腔心身症の症状を引き起こすことになります。
加齢により筋肉が弱くなる、ホルモンバランスが乱れる、歯が抜けるといった要因は、ご自身ではどうしようもできないことではあります。
歯並びがもともと悪い、舌が人よりも長い、唾液の分泌が少ないといったことも、その方の個性ですが、口腔内の問題を起こしやすい要素といえるでしょう。
そこへ、例えば身内の方との辛い別離を経験するなど精神的なダメージが加わると、口腔心身症の発症につながるのです。
些細な要因の積み重なりで発症していると、どこに原因があるのかわからないことも多いのです。あごや歯、舌や唇などに症状が出ると、その部位そのものに問題があると、当然のように思います。
しかし心身症と名のつく病態は複雑で、本当の原因を突き止めるためには、心理的な背景をさぐる必要もあるでしょう。
口腔心身症の治療には、なぜその症状が出ているのかを明確にする必要があります。別の病気である可能性が否定できるまで、詳細な検査をします。
口腔に関する特徴や生活習慣、置かれている社会的な背景など、あらゆる方面から検証することになります。
心理療法や行動療法などを中心に治療していくことになります。口腔外科と精神科の両方が専門という医院は少ないといえます。
分野が違っても、きちんと連携して横のつながりがしっかりしている総合的な医療機関で診てもらうのが得策です。
口腔心身症は、口腔の部位を直接的に治すというより、心の在り方にアプローチしていくことが改善の方法となります。なぜ発症に至ったのか、ご自身の考え方や精神面の弱さをまのあたりにする作業は、時として辛いものかもしれません。
口腔心身症を完治させるには、時間を要する場合もあるでしょう。しかし、じっくりと腰をすえて向き合えば、決して治らない病気ではありません。どうぞあきらめないでください。
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